恋のまなざし
「さっきハンカチ落としちゃった!」

「あ”?」

ちょっちょっと!明里!今の声はなに!?…と聞きたくなる声…いや、音が聞こえた。

「はぁ、ただそれだけ?」

“うわー面白くない”といいたげな顔。クスッ、面白い!

「い、いや違うの、これには続きがあって…」

「はーいはい。なに?はやくしないと、休み時間終わっちゃうよ?」

そう言って明里は、本を取りだそうとする。

「あ、あのね?」

「……ん?」

「落としたハンカチ、」

「……うん」

「不良さんに拾ってもらったのぉーーー!!!」

…………?あ、明里?なんか、様子がおかしい?

すると突然!


「ぅえええーーーーー!!!?」


ガタッ

教室が静まり返る。…………そして、一気に私たちに視線が集まる。

__


「はーい、授業始めますよ…………!?」


先生も驚いているであろう。クラスのみんなが動きを止めて、本の本体を落とし、カバーだけをもって、目と口をあけている明里と、その隣にいる私を、いっせいに見ているのだから。



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