眠り姫に恋したのは年下御曹司
ドキドキと鼓動が鳴ってしまう。


慣れた様子の陽平を見上げて離れようと試みるが離れようとしない。



「莉乃、怒ってる?」


「怒ってるってより陽平がわからない。」


「どこが?」



足を止めて陽平を見上げる。


間近にある目と目が合う。



「女慣れしてる所。」


「別に慣れてない。」


「誰にでも優し過ぎる所。」


「はっ?俺が誰かに優しくする所でも見た?」


「イケメンな所。」


「…………生まれつきだ。」


「合コンで女漁りする所。」


「してない。今日のは幼なじみに頭を下げられて仕方なく。」


「過去にも山のように合コンしてるでしょ?証言はある。」


「チッ、アイツか。過去だ。莉乃と出逢ってからはゼロだ。」



道幅の広い歩道で言い争う私達をチラチラと見て行く人達が目に入る。



「喧嘩?」


「別れるのかな?あの人ってイケメン。」



ヒソヒソと注目されているのに気づく。
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