眠り姫に恋したのは年下御曹司
彼とは2年ぐらい前に終わっていたが、彼の浮気で別れた。


京都に異動になってから一年ぐらいは付き合っていたが、会えない理由で浮気されたのだ。


そんな彼と東京本社で再会するなんて思いもよらなかった。



「これで入社式は終了します。続きまして…………。」



終わりの言葉に我に帰った。


隣の人が立ち上がる姿に私も立ち上がった。


新入社員への挨拶は終わりだ。



「皆さん、ありがとうございました。また研修の際にはご連絡させて頂きます。」



教育担当者が私達に軽く挨拶して去っていく。


私も仕事に戻ろうと研修室を出て廊下を歩いていた。



「莉乃。」



案の定、声を掛けられた。


無視する訳にもいかないので足を止めて振り返る。


彼は別れた日から変わっていなかった。


見た目はモテる男に入るだろう。社内でも人気のあった男だ。



「莉乃、久しぶり。」


「久しぶりだね、小川。」



敢えて名前では呼ばない。


いや…………呼びたくない。
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