葵くん、そんなにドキドキさせないで。
強引だし、口調だって悪くなるし、
私の困っている顔を見て楽しんでるような人だし。
…それなのに。
「…まだこのままでいて」
2人っきりだと、やっぱり雰囲気は優しくて
こうやって、私の髪の毛を触っている手つきも優しくて
ふんわりと笑う顔も優しくて。
「あ、の…っ」
「…ん?」
私を見るその目も、優しい。
「ま、まだ…?」
「…んー…」
「葵くんってば…!」
「ふは、うるせぇな。…まぁ…うん、いーよ」
パッと私から離れた葵くん
胸に手を当てて大きく深呼吸する私
よ、良かった…私まだ生きてる…
ドキドキしすぎて心臓止まっちゃうかと思った…