葵くん、そんなにドキドキさせないで。
うん、それは重々承知なんだけどね、でもね、
その隣を歩いているのが私って……
「(ちょっとメンタルやられるなぁ…!)」
じ、ジロジロ見られているのは絶対気のせいじゃない。
あああ、葵くんの隣にいるのが私みたいな地味子でごめんなさい…!!
「田中さん」
「うう、わかってますこんな私が葵くんの隣にいるのは良くないって」
「あはは、ちょっと何言ってんのか分かんないなぁ」
ハッとして隣を歩いている葵くんを見る
わ、笑ってるけど、目が…目が笑ってないよ…?
「…俺のこと無視するなんていい度胸してんじゃん。なぁ?」
「ひっ…!」
周りにちらほら同じ学校の生徒がいるからか、
小声でこんなことを言う葵くん