Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
「瞳……見えないよ……」
キスの合間に呟くと、クスクスと笑った始はそっと友梨佳の腰を抱くと、
「そろそろ部屋に戻ろうか」

酔った頭でもそれがどういう意味が解り、友梨佳は小さく頷いた。

(もういいや。好きになりたくないとかそんなこと……今この人が欲しい……)

部屋になだれ込むと、そのまま激しいキスをお互いぶつけあい、ベッドルームへとなだれ込んだ。

「んっ……」
「やばい。お前のその声」
慣れた手つきで服を脱がす始に、
「そっちこそ慣れた手つきムカツク」
友梨佳はグイっと始の首に手を回すと、始の顔を引き寄せキスをした。
「酔ったお前は……かわいいな」
首筋にキスを落としながら、始は優しく友梨佳に触れると甘くささやいた。


「どうせ普段はかわいくないわよ……あっ……」
その友梨佳の言葉に、跡を残すように鎖骨のあたりに始はキスをすると始は全身に口付け、唇と手で友梨佳を翻弄した。
「んんっ……」
的確に与えられる刺激に友梨佳は、ドロドロに溶かされ朦朧とした意識の中、始に抱き着いた。

「始……始……もっと抱きしめて……」

もう自分自身何を言っているかわからないまま、意識を手放した。



< 47 / 72 >

この作品をシェア

pagetop