Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
音もなく上がるエレベーターで50階へと上がると、友梨佳はカードキーで部屋に入ると慣れた手つきでカードを差してライトをつけた。

スイートまではいかないが、リビングとベッドルームが別々になった広々とした室内を見て、友梨佳はため息をついた。

(こんなにいいホテルとならなくてもいいのに……どうせ私は帰るんだし。副社長ともなるとこれぐらいの部屋じゃないと眠れないの?)

そんな事を思いながら、荷物を置いてバスルームに行くと、いつも通り用意されたアメニティの中からバブルバスを選ぶと、勢いよくお湯を出した。

一息ついて、窓際の一人掛けの椅子に座ると友梨佳は大きくため息をついた。


何度となく心に思った「どうしてこうなった?」その言葉が頭を占拠した。

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