本当に好きなのは
新たな出会い

夏休みが終わり、高校1年生の2学期、9月の中旬。
その日は日曜日で学校が休み。
私は自宅で叶多と電話をしてた。
叶多は男友達とどこかに出かけてるみたいだった。

「叶多、どこいってるの?」

『これから俺ラーメンいく!』

「いいな、ラーメン。」

『…』

「叶多?」

いきなり静かになったと思ったら、叶多は男友達と話しているようだった。

いきなり電話を切るのも悪いと思い、ばいばいしたら切ろうと思い、私は叶多を待っていた。

すると…

『もしもし、千加ちゃん?』

知らない声が聞こえてきた。

「え、っと、誰ですか?」

『叶多の友達の、希衣です!こんにちは。いきなりごめんね!』

「こんにちは。いえ、大丈夫です」

『千加?ごめん、びっくりしたよな!希衣くんが喋りたいってゆーからさ!』

叶多が下の名前をくんづけするなんて、珍しいと思った。





これが、希衣くんと話した初めての言葉だった。
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop