艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「郁ちゃん、もう謝らないでよ。お互い様でしょ?」

郁ちゃんに素直な気持ちを言葉にすると、郁ちゃんはすっきりとした表情を見せて、笑って頭をあげる。


「これで仲直りですよね、まどかさん?」

「う、うん……」

なんというか、この立ち直りの早さが郁ちゃんらしい。

「じゃあ、今度は私がまどかさんの駒宮室長との恋愛を全面協力しますからね。ううん、全面協力させてくださいね!!」


郁ちゃんは、満面の笑顔でそう言うと、いつの間にか運ばれてきていた生ビールを宙に高く掲げる。

この場所に来るまでずっと郁ちゃんや祥子さんに嫌われるって覚悟したのに、いつの間にか3人とも笑顔になっている。

明るい郁ちゃんと、優しい祥子さんに私は救われたんだ。



郁ちゃんに誘われるがまま、私と祥子さんはグラスを宙に高く掲げて再度乾杯をしたのだった。

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