シン・ゴジラ女子


さっきから何度もLINEの着信音が鳴っている。きっと兵藤先輩からだ。でも見れない。見るのが怖い。


広い映画館で、人が多くてよかった。これなら人ごみにまじってあの二人から隠れられる。


わたしはイライラしながら映画館をさまよった。


あやまらなきゃとは思ってる。どう考えてもわたしが悪い。


でも、あやまりたくない。何なのよあの女。チャラチャラした格好して。見せつけるみたいに先輩と腕組んだりして。むかつく。ぶっ飛ばしたい。


うつむいたまま、早足で歩いていると、ドンと誰かにぶつかった。


「あ、ごめんなさいっ」


と言って、顔をあげると、



目の前にゴジラがいた。


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