番犬男子
わあ、初めて誰かが誰かに告白するところを見た。
恋する乙女は可愛いな。
そう思っているあたしとは対照的に、周りはまさかの大ブーイング。
せっかくの告白の雰囲気が台無しだ。
周りの女子たち、態度悪すぎ。
ムカついて注意しようとしたら。
「ごめんね」
その前に、“ユキノさん”が困ったように返事をした。
その声につられて、“ユキノさん”のほうに顔を向ける。
あ。
やっぱり。
“ユキノさん”は、昨日たまり場にいた雪乃という男子だった。