ひかるは顔をあげると、伊崎を見つめた。

「豪くんがどこにいるか、知っているんですか?」

ひかるの質問に、伊崎は首を横に振った。

その答えにひかるはまたうつむいた。

「好きなんですね、彼のことが」

そう言った伊崎に、
「彼は私の初恋の人ですから」

ひかるは言い返した。

「もし僕が彼よりも先にひかるさんと出会っていれば、ひかるさんは僕のことを好きになってくれましたか?」

そう聞いてきた伊崎に、
「…それはどうなのかは、私にもよくわからないです」

呟くように、ひかるは答えた。

「そうですか…」

その答えに、伊崎はガッカリした様子だった。

「探します」

ひかるは言った。

「豪くんを探します」

そう宣言したひかるに、
「そうですか、わかりました」

伊崎は返事をした。
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