いろいろな動物を見て回って、園内にあるレストランで食事をして、みやげ物を見て回っていたら、夕方になった。

動物園を後にすると、
「――ごめんなさい!」

ひかるは伊崎に頭を下げた。

「えっ?」

訳がわからないと言うように聞き返した伊崎に、ひかるは頭をあげた。

「私、伊崎さんとはおつきあいできません」

ひかるは言った。

「ど、どうして…?」

そう聞いてきた伊崎に、
「好きな人がいるんです」

ひかるは答えた。

「その人のことを子供の頃から思い続けているんです。

私にとって特別なのは、その人だけなんです。

だから…」

ひかるはそこで言葉を区切ると、
「ごめんなさい、伊崎さんとはおつきあいできないです!」
と、頭を下げた。
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