愛を知らない一輪の花


「、、、は?」

「、、、だから逃げられたんだよ、、!。部屋には居ない。多分自宅に帰ってると思う。」










百合に後悔するなと言っておいて、自分が1番後悔している。結果、事務長がしようとした事と何ら変わらない。寧ろそれよりも酷い。


会場に透と現れた彼女に、一瞬で目を奪われた。黒いドレスが透き通る白い肌をより一層引き立てている。どこか切なげな可憐で美しい彼女は、まさに百合の花そのものだった。


声をかけるタイミングを伺っていると絶好な場面でそれはきた。
男に絡まれている3人の女性。その中に彼女の姿を見つけた。慌てて前に出て安い誘いに乗ろうとしている彼女に唖然としながら、男の腕を取った彼女を見て咄嗟に体が動いた。
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