永く青い季節 〜十年愛〜




そんな私達に、横槍を入れるのは簡単な事だったのだろう。


私を彼の恋人と認めるには、きっと不足だらけだったに違いない。
だから、彼に想いを寄せる女子達が、簡単には引き下がれないのも、変に納得してしまう。

同級生、先輩、それから半年経ち学年が上がってからは後輩の女子からも、
容赦なく放たれる恋の矢が、私の目の前を堂々と飛んで行くのを、私は傷つきながら見ていることしかできなかった。



例の女子マネージャーからは、空き教室に呼び出され、宣戦布告をされた。

「大人しそうな顔して、幸のこと、色目使って見てたよね?光井くんまで味方につけるなんて、どんな手を使ったの?
私、幸のこと、まだ諦めてないから。絶対取り返すからね!」

他の女子からもすれ違い様に聞こえよがしに言われたこともある。

「ほら、あの子よ」

「えーっ?全然フツーじゃん。釣り合わないよねぇ」



「気にすることないよ!藤元先輩が好きなのは美織なんだからさ。やっかんでるんだよ、みんな」

梨絵や、仲の良い友人達はそう言って勇気づけてくれた。
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