【完】こちら王宮学園生徒会執行部



巨大なあの城。

ロイヤル部のみんなに出会った、王宮学園。



「運命……?」



あのセレモニーで出会ったみんなが。

時を経て、こうして、あの場所で出会って。……一緒に過ごすことになってる、なんて。



「もし、運命だとしたら。

それはお前が呼び寄せたんじゃないか?」



また彼に、同じ場所でプロポーズされてるなんて。

……単純、だけど。運命としか、思えない。



「あのバラ園には、秘密があるらしい」



秘密……?

わたしも奥まで見に行ったことはないけれど、いたって普通のバラ園じゃなかったっけ?




「ほとんどの生徒は知らないが、あのバラ園。……一番奥に、短い期間だが青いバラが咲くらしい。

その品種改良をしたのが、お前の母親だ」



「え、」



「もともと珠王で働く前、お前の母親は青いバラを咲かせるために、実験を行っていたらしいな。

……だからお前が、幼い頃から青いバラが好きだったんじゃねえかって言ってたぞ」



あのセレモニーがあった場所は、王宮学園になって。

そこで二度のプロポーズを受けたわたしがトップをつとめるその学園に、青いバラが咲く。



「……な?

まるでお前が、運命を引き合わせたみたいだろ?」



もし本当にそれが運命だったのだとしたら。

わたしはひどく残酷な運命を引き合わせて、みんなを巻き込んでしまったのかもしれない。



……それでも。

わたしたちは今こうやって、笑い合っていられる。──ならば、わたしは。



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