お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
エピローグ ~ツキなし女子のその後~
その後の私はとてもツイてる。
一頃のツキの無さを一掃する様な気配で、仕事の方も順調だ。



「波南の考えた付箋シール、部長達も興味示してたよ」


新商品の開発会議でプレゼンした商品をチームリーダーの村田さんに誉められた。


「紙も付箋にしては上質だし、何より気持ちに合わせて形が選べるのがいいって。中高校生だけじゃなく大人にも受けそうだと話してた」


やるじゃん!と肩を叩かれて喜ぶ。
私生活が充実してるからかな…と揶揄われ、思いきりテレた。




「……あっ、波南~!」


部署に帰ると同期の柑奈と弘夏がを手招く。
何事?と近寄ると柑奈はぐいっと腕を絡ませてきて。


「ちょっと聞いてよ。弘夏ったらあの合コンで知り合ったエリートと結婚することが決まったんだって!」


「えっ…もしかして、私が出る予定になってたあの合コン!?」


ガーン、ショックだ。


「波南に参加権を譲って貰って良かった。お陰で彼と出会えたから」


幸せムード満載な弘夏に茫然となりながらも、おめでとー!と手を叩く。
相手は銀行の貸付業務を担当してる人らしく、今度また紹介するねと言われた。


< 190 / 203 >

この作品をシェア

pagetop