気付けば、君の腕の中。


知らない駅で降りると、大きなショッピングモールを見つけた。

先月に改装オープンされたばかりなのか、結構な人で賑わっている。


お金は1000円ほどしか持っていないので、何か買うことすら躊躇してしまう。

とりあえず外に出ると、人気のない場所でベンチを見つけた。

そこで腰を下ろすと、どっと疲れが出てくる。


握り締めていた携帯を、投げ捨ててしまおうかと手を振り上げた。


「うおっ、なにしてんだよばーか!」

「えっ…」


子供の声がして顔を上げると、今の時期には似合わない麦わら帽子を被った白くんがいた。


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