気付けば、君の腕の中。


過去のことを悔やんでも、謝っても変われないのだ。

今のあたしの気持ちを伝えるのが、一番しっくり来たので、そのまま手紙に綴った。


「沢山の人と出会えて、あたしは夢を見つけることが出来たんだ」


出会いの積み重ねがなければ、一生その夢とは出会えなかっただろう。


「あたし、幼稚園の先生になって、沢山の人を笑わせたい」


白くんたちが笑うたびに、あたしは人と触れ合うことの大切さを知った。

自分が一人ではないと分かったのだ。


「いつか、お父さんたちも笑わせることが出来るような、そんな娘になりたいんだ」


その言葉にお母さんが肩を震わせて、あたしを抱き寄せた―。

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