死んだ彼女からの手紙
高校一年生
俺の名前は白川秀次（しらかわしゅうじ）。これといって何の取り柄も将来の夢さえもない、つまらない人間だ。






高校一年生の夏、苦しい家計の中少しでも小遣いになるようにと飲食店でアルバイトを始めた。






「今日から新しくアルバイトで入った白川くんだ。みんな、仲良くしてやってくれ」



「宜しくお願いします」




やはり、緊張してしまう。元々人見知りをするほうなので、こういうのは少し苦手だ。





「じゃあ金城さん、彼に色々と教えてやって」



店長から呼ばれたのは少し小柄な女性で、恐らく俺より年上なのだろうが童顔のせいもあって、はたから見たら俺より年下にも見える。





「はじめまして、金城 久実です。分からない事があったら遠慮しないで聞いてね」






これが俺と久実との出会いだった。






人見知りだった俺も、久実さんの協力もあって一ヶ月もすれば皆と馴染んでいた。







その頃から少しずつ、でも確実に彼女に惹かれていった。
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表紙・目次

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