死んだ彼女からの手紙
「秀くん」






「…何ですか?」





「あ、起きてたの?」





「いえ、久実さんに起こされました」





「はは…。そうだよね」





「久実さんの方こそ寝てたんじゃないんですか?」





「あれは…寝たフリ♪気付かなかったでしょ?」





「まぁ確かめてもないですから」





「可愛いげないなぁ」





「まぁいいや。一緒に寝よ♪」





「そ…」





それは駄目ですよ、と言おうとしたがすぐさま彼女が言った。





「いいから早くおいで!」




「…はい」





まぁ別に変な事するわけじゃないし…大丈夫か。




俺は久実さんのいるベットへと向かった。





「私ね…」





「は、はいっ」





緊張して声が裏返ってしまった。恥ずかし過ぎる…。しかし彼女は気にせず、話続けた。






「私、在日朝鮮人なんだ」





「………」






在日朝鮮人。その時の俺にはその事が何を表しているのか全くわからなかった。
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