ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
…………え?

私の不安を汲み取ったかのように碧琉くんが口を開いた。

「えっ、あの……俺、清水先生に言われて付き添いで来たんですけど、俺も付き添い、ダメなんですか?」

「はい。付き添いの方も面会は1日に30分まで。それ以外はこの部屋の外でお願いします。」

その言葉を聞いて私は不安な気持ちでいっぱいになる。

「あ、あのっ、私、恥ずかしいんですけど、悪夢見ちゃったらパニック……っていうか…その、身近な人がいないとダメなんです…………」

「それでも決まりは決まりです。治験なのに、他の細菌に感染されては、きちんと結果が出ませんので。そのような場合は、こちらのスタッフが対応致しますから。」

でもっ!!

……そう言おうとしたけど、私はその先生の強い目線に威圧されて言えなかった。

…なんというか、歓迎……は少しもされてないみたい。

少しショックは受けたけど……

しょうがないか…

私は小さく頷いて、碧琉くんの方を向いた。

「碧琉くん。私なら、大丈夫。頑張れるから。」

そう言うと、碧琉くんは不安そうな顔になってから、私の頭をポンポンと撫でてくれた。

「…わかった。でも、無理はするなよ?なんかあったら、すぐに言ってな……」

私はコクンとハッキリと頷いた。

その日から、アメリカでの治療が始まった。
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