ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

楓摩side

柚月が退院した。

思った以上に肺炎が長引き、少し心配だったものの、今ではすっかり元気になってくれた。

……でも、それと同時に、心配な事がもうひとつ。

朱鳥の心の状態が、少し危ない気がする。

たぶん、こまめに行ってあげないと、自傷行為をしてしまいそうなくらい、朱鳥の心は不安定になっている。

でも、家庭と仕事の両立はなかなか大変で、最近は、ベビーシッターさんに頼んでいる。

でも、葉月も柚月もごねることが増えてきて、最近は、病院の通常勤務が終わる時間になったら1度帰り、少し面倒を見て、寝かしつけてから、また病院に戻って仕事をする日々。

朱鳥は、体の面では心配はないけど、心の面で、家に1人にさせておくのが心配だから、入院させている。

本来なら、精神科病棟などに入院させるんだけど、精神科っていうと、朱鳥も、もっと気負いしちゃうと思うから、特別に許可を得て、内科で入院している。

夜泣き……ではないけど、夜、眠れないのか、起きちゃうのか、よく「怖い夢を見た」と言っている。

夢もきっと、朱鳥の不安な心理状況が創り出してるんだと思うけど、不安な気持ちになる、夢を見る、怖くなる、また不安になる……という悪循環だ。

この前、トラウマが再発したことによって、俺以外の大人には相談も出来ないみたいだし、まだ診察もまともに出来ていない状態だ。

一緒に付き添ってなら、なんとか頑張れるくらいにはなったけど、終わったあとはいつも泣いちゃうし、俺がいなかったら、全然ダメみたい。

……この状況、どうにかしないといけないんだけど

はぁ

と小さくため息をついてから、少し冷えてしまったコーヒーを飲む。

…とりあえず、また朱鳥の所に行ってくるか
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