ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

新しい家族

泣き声が聞こえる

さっき聞いたような気もするし、ずっと前に聞いたような気もする。

……赤ちゃんの声

ゆっくり目を開けると、一生懸命赤ちゃんをあやす楓摩の姿

「…………あ…かちゃ……」

掠れた声でそう言うと、楓摩はすごい勢いで振り向いてこちらを見た。

「朱鳥っ!?目、さめたの……?………よかった…朱鳥、起きた……」

そう言うと、赤ちゃんも驚いたように泣くのをやめ、楓摩は赤ちゃんを小さいベッドに寝かせてから、私の頭を優しく撫でてくれた。

「朱鳥、気分どう?」

「……少し、体重い」

「その他に痛い所とかはない?」

コクン

楓摩の反応からするに、私、また数日間眠っていたみたい

それに赤ちゃんがいるってことは…

「あ、そうだ。朱鳥眠ってる間に決めなきゃいけない期限来ちゃったから勝手に決めちゃったんだけど、赤ちゃんの名前。」

「なあに?なんて言うの?」

そう言うと、楓摩は赤ちゃんを抱き上げて、私に抱かせてくれる。

「"望笑夏"(のえか)望む、笑う、夏って書く。葉月と柚月は夏生まれでしょ?だから二人みたいに元気に育って欲しいから夏、あといっぱい笑って欲しいから笑、その二つを望むっていう意味なんだけど…………変かな?」

のえか

清水 望笑夏

「すっごい、可愛い名前…!!いいね!!楓摩が考えてくれたの?」

「うん……でも、少し陽向とか久翔にも手伝ってもらった」

「そっか!!良かったねぇ、みんなにかわいい名前つけてもらえて。きっとみんな、一生懸命考えてくれたんだろうね~」

そう言って望笑夏の頭を少し撫でる。

すると、望笑夏は少しキョトンとした顔をしてからぱあっと花が咲いたのように明るい笑顔を見せた。

我が家にまた新しい幸せの象徴が増えた
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