ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

骨髄検査

「じゃあ、朱鳥ちゃん、少し痛いけど動かないでね」

そう言われて、その後すぐに針が刺さる感じがして、痛みがはしる。

「…よし、麻酔はあと1本打つから、我慢してね」

麻酔自体は、我慢できる痛さだから、大丈夫なんだけど…私は、その先にあるもう一つの痛みの方が怖くて、不安になる。

「はい。OK。じゃあ、本番の針刺すね」

針がプツッと入り、それからグリグリと針が押し進められていく。

「じゃあ、いちにのさんでいくね。」

緊張で胸がバクバクと音を立てる。

「いくよ、いちにの…さんっ」

その瞬間私は、久しぶりのその痛みに、顔を歪める。

グッと歯を食いしばって我慢するけど、目には若干の涙が浮かぶ。

「…………よし。終わり。お疲れ様。」

そう言って、私の担当医である相馬 久翔(そうま ひさと)先生は、私の頭をポンポンと撫でてくれた。

久翔先生は、楓摩の友達らしく、楓摩から担当が変わって、不安だった私に、とても親切に優しく接してくれた。

「じゃあ、後はここでしばらく寝て止血しててね。終わったら、看護師さんが来てくれると思うから、そしたら帰っていいからね。」

「…はい。ありがとうございます。」

私がそう言うと、久翔先生はニコッと笑って

「いーえ。楓摩に、朱鳥ちゃん頑張ってたって伝えておくね」

と言って、検査室を出ていった。
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