ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

楓摩side

"辛い"

と言って涙を流す朱鳥。

俺は、そんな朱鳥の頭を撫でてから、そっと朱鳥に問いかけた。

「朱鳥はさ、なんで、みんなに迷惑かかってるって思うの?…………俺らは、本当に迷惑じゃないんだよ?」

そう言うと、朱鳥は小さく頭を横に振る。

「…迷惑じゃない…………って言われても……だって、本当に迷惑でしょ?」

朱鳥は、そう俺に問いかける。

朱鳥のその目には、微かに怯えの色が映っている。

……もしかしたら、過去になにかあったかな………………?

俺は、それも朱鳥に聞いてみることにした。

「……朱鳥、それってさ、もしかして、昔になにかあった?」

そう聞くと、明らかに朱鳥は動揺する。

「何があったの?」

朱鳥は、何かを思い出したように、小さく震えだす。

……トラウマ………………かな…

俺は、朱鳥の手をそっと取って、もう1度問いかける。

「ムリには言わなくていいよ。……でもさ、もし、その事で朱鳥が苦しいなら、教えて?」

そう言うと、朱鳥は悲しそうな顔をして、俯いた。

そして、ゆっくりと口を開く。

「…………私、ずっとね…泣き虫なの。………………小さなことでも泣いちゃって、いつも、その事で周りの人に嫌な顔されてた…。おじさんは、私が泣くと、いつも決まってほっぺを…ビンタするの……。それにね、私が熱を出すと、おじさんは、本当に迷惑そうな顔をするの。…………子供ながらに、すごい迷惑になってるの…わかった。……だから、昔はあれでも我慢してたの。……だけど…楓摩に出会ってから…………また、泣き虫になっちゃった…」

朱鳥は、グッと口を結んで。

涙を堪えてるようだ。

きっと、今にでも泣きたいのに……この話をしてるから、泣けないんだろう。

…俺は、朱鳥の背中をそっと撫でる。

「…………楓摩が……楓摩が優しすぎるから!!………私、あんなに人に優しくしてもらうの初めてで、つい、甘えちゃってた。………………でもさ、私が高い熱出た時、楓摩、夜中まで私を看病してくれてたでしょ?…その時、楓摩、眠そうな顔してた。……次の日も、目の下にクマ出来ててさ…………それ、やっぱり私のせいだよね…って。楓摩は、優しいから言わないだけで、本当は迷惑なんだって………思っちゃった………………」

「朱鳥……」

「わ、私、どうすればいいの……?…みんなに迷惑かけてる。……強くならなきゃ…って思うの…………でも、心の隅では楓摩に甘えたいの!!……泣いちゃダメなのに…楓摩にギュッてして、めいっぱい泣きたい。……わかんない。わかんない。わかんない!!…………どうすれば…いい……?」

朱鳥は、そう言って、布団をギュッと握りしめた。

俺は、そんな朱鳥の手に、俺の手を重ねた。
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