TONE ~シークレットライブ~
 つい話し声に聞き耳を立ててしまう。

「今からコレを…って2時間しかないじゃないですかー!?」

 驚きの声にこっちまでびっくりしてしまった。

「とりあえず聞かせてよ……あっ、そこ、もっと早い方が……」

 電話で話をしながら驚いた私に気付いた彼が、苦笑いを浮かべながら軽く頭を下げていく。

「ユウトくん、タクシー捕まえたよ」
と先の方から彼女の声。

「…今からタクシーで向かうけど…間に合わなくても俺のせいじゃないからね…」

 素早く乗りこんだ二人はタクシーで走り去った。

 何だったんだろうと遠ざかる車を目で追いながら、時計に目をやる。

「電車。間に合うか!?」

 自分に呟いて駅に向かってダッシュした。
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