絶対、好きになれない。
「でもさ、今気づいたけど。さっきの叶くんとの接触は気持ち悪くなかったの?」

そうなのです。
わたしは過去に色んなことがあってから

大の男嫌いのため、
基本的には「男性と話せない」し、
「男性と目も合わせない」というか
そういう行為全般を絶ってるわけで。

『あれ、そういえば、なんでだろう?』

触れられると鳥肌すらたつのに。
嫌な気持ちとかもなんにもなかった。

「叶くんが女嫌いオーラ出てるからかな?」

目がしっかりあって
普通にお礼を言えたのは確かに珍しい。

ふうん、と思いながら
前を歩く、叶聖の後ろ姿を眺めた。
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