永遠に
p.m11:30

もうすぐ終電。
この横浜駅に来ることも、もうないなぁ…。

『じゃあ、元気でね。』
『気をつけて帰れよ。
…ホントは引き止めようと思った。一瞬な…。でも…。うん。じゃあ、元気でな!』


電車の中。
遠ざかるあの街のネオン。あの中には確かに彼がいる。そう思うと堪らず引き返したくなる。
人目も憚らず涙を流しながら、私はそれをグッと堪える。

あの街はこの先も輝き続けるのだろう。
私と陵の思い出を優しく包み込んで。

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