赤い刻印 - Secret Love -【続編】
お母さんの形見


季節がひとつ進んでまた冬がやって来た。
そして、私は19歳になったー。


「うわ!汚っ」

誕生日にもらった合鍵を使って先生の家に入ると、
想像以上の惨状が目に飛び込んできた。

床の上に散らばる大量の書類と服。
先生は昨日から出張で家を留守にしている。
急な出張だっらしく、慌てて準備して飛び出していったのが分かる。
メールでそれを聞いて掃除しておいてあげることになったんだけど…。

「もう。服くらいちゃんと掛けてよー」

誰もいない部屋で黙々と掃除していると、突然固定電話のベルが鳴り響いた。

「はい、村田です」

少し悩んだけど受話器を取ってそう言う。
まるで奥さんになったみたいでドキドキする。
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