2度目の初恋も、君とがいい
「行かなくていいの?」



紙の内容を読んだことに気がついた日奈子が聞いてくる。


〝3/15 11時発アメリカ行き。永人〟

と書かれていた紙。



「どういうこと?だって昨日そんなこと……」



途中まで言って〝最後〟という永人の言葉を思い出す。



「空港行けよ」



明日汰があたしの腕を引っ張る。



「だって……なにも……」



言ってくれなかった。
ふたりには言ってあたしには言ってくれなかった。



「追いかけなよ!」



いつの間にか目の前にいた日奈子があたしの肩を掴む。



「来て欲しくないから……言わなかったんでしょ?」



あたしが行くことで嫌な思いをさせたくない。
知らなかったなんて、あたしが馬鹿みたいで。
恥ずかしくて。



「違うよ!永人は千花のこと、大好きだよ!」



涙を瞳にいっぱい溜めた日奈子が叫ぶ。



「日奈子……」



やっぱり、日奈子は永人のこと……。



「これ、永人を好きとかじゃないから!悔しいの!」



あたしの考えに気づいたらしい、日奈子がそう言い放つ。

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