極上社長と結婚恋愛
 

「足元が暗くて危ないから」

そう言って差し伸べられた手におずおずと指先をのせると、ぎゅっと握られた。
手をつないだまま夜の庭を散歩する。
こんな素敵なお庭を直哉さんとふたりきりで歩けるなんてとても贅沢だ。

「ホテルがオープンしたら、この庭でガーデンウエディングもできるらしいよ」
「へぇ、素敵ですね。憧れるなぁ、こんなきれいなお庭でウエディングなんて」
「そうだね」

柔らかい相槌に隣を見ると、直哉さんもこちらを見ていた。

視線が甘く絡み、頬が勝手に熱くなる。
慌ててうつむくと、頭上で小さく笑われてしまった。
きっとまた、耳たぶもうなじも真っ赤になってる。
愛おしさが胸にせまって切なくなった。

薄暗い闇の中で、こっそりと直哉さんの横顔を見上げた。
柔らかな微笑みや、はじけるような笑顔。少し意地悪な表情も、仕事中の真剣な顔も。直哉さんのことを知るたびに、どんどん惹かれている自分がいた。


 

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