cafe レイン

今日の昼、いつも通りcafeレインに向かうと丸山さんは至って普通だった。
私はどんな顔で会えばいいのだろう、普通にしよう。冷静に。ってお店に入る前に何度も深呼吸して気持ちを落ちつけていたのに。
この人が動揺するところなんて見られるのだろうか。私ばかり動揺している気がする。
それとも、私と出かけることなんてなんとも思っていないから、こんなに普通の態度なのだろうか。

なんて、ネガティブな方向へと考えをすぐに持っていってしまうのは私の悪いクセだってわかっている。

少しだけ落ち込むけど、帰り際。

「今日、楽しみにしていますね」

なんて言葉を丸山さんから貰って、一瞬で気持ちが舞い上がってしまうから我ながら単純だなって思ってしまう。



部屋を出た私は一度お手洗いへと向かって、身だしなみチェックをする。
いつもより可愛らしいワンピース、だと思っている。
白のシフォン素材で七分ある袖部分がドレープになっている。それにタイトなスカートが縫い合わせてあってセットアップにも見えるワンピースだ。
夜は肌寒くなるだろうから、ストールも持って。

普段は髪の毛だって何もせずに後ろで束ねているだけだけど、今日はゆるく巻いている。
律ちゃんからも沖くんからも可愛いのお墨付き。

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