ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情

「……ッッヤダー!え、なに、ちょ、まけぃた可愛すぎるぅー!!」

「コラコラ優李!それ以上絞め上げないの!
まけぃたくん落ちる!落ちるから!壊れて仕事出来なくなったらどーすんの!」


そして残りカスほどしかないHPで試したことは、今回の俺の需要が何なのかを分かりやすく教えてくれた。


「描きたい!シメたい!ムサボりたい!まけぃたもっと声ーー!!」


どうやら俺の声が、社優李の(元々あるかは甚だ疑問の)理性を破滅的に壊し、それによって、画の材料としての必須アイテムになるらしい。


「あ、落ちたわ。」

宮下オーナーのその一言を最後に意識を飛ばした俺は、これまた生まれて初めての落とし技と生まれて初めての失神を経験する。

今日は、一生分の生まれて初めてを使い切った日だよな。ははは。

人間、何か限界的なモノを振り切ると、笑えることも生まれて初めて知った。



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