歪な光
話しているうちに、自分の現実と向き合っている気分になり、自然と涙が邪魔して声を詰まらせる。





「真白ちゃん、よく頑張ってるね。話してくれてありがとう」






これが、電話じゃなかったら、瞬の優しい笑顔をみれているのかな?





電話だけじゃ、物足りないよ。





こんなにも、人を強く求めること今までに無いのに、いつも冷めた感情しかなかった私に、あなたは温もりと情熱を与えてくれる人。





「瞬ちゃんに会いたい」






溢れる心の声。





「真白ちゃん、すぐにはいろいろ出来ないけど、僕も君の心を救いたい。だから、それまでは、これだけで我慢してほしい」






瞬は私が傷つかないように、言葉を選んで伝えてくれる。






わかってるよ、叶わない願いを口に出してしまったことくらい。





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