歪な光
雨のせいか、錆びた臭いが今日はやけに鼻に着く。





居心地が悪い。





今日を凌ぐ場所を早く見つけないと、家に帰らされてしまう前に…






そう思っていたのに、いつものように前から見慣れた人影が私を見つけた。





「こら、真白。またふらふらしてるのか」




そういって、怒ってくるのはこの辺りを巡回している、警察官の宮城だった。年は40歳くらいのベテランさん。





私はこの警察官の人に度々補導されてしまう。






いわば、補導の常連なわけだ。





しかし、今日はいつもと違う。






その後ろから私をしっかり捉える瞳に、私も目を奪われた。





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