風の歌
もくもくと朝ご飯を食べ終えると海里は陸に


「新しく来る子って、女の子かな??男の子かな?」


と、嬉しそうに言った。


「ずいぶん嬉しそうだな…」


「だって新しい兄弟ができるんだよ!」


目を輝かせる。


苦笑いをする陸。

「確かに嬉しいかもしれないけど、……なるべく、孤児院に来るような子供達が少なくなるといいな…」


下を向く。


「うん…そだね。」

少しの間黙る2人。




時計の針は8:00を指した。


「…学校行くか。」

「‥はーい。」


ソファの上に置かれた鞄を持ち、2人は家を出た。






まだ夏のはじめの爽やかな朝であった。














その時はまだ

海里は気付いていなかった。


自分の名を呼ぶ

不思議な声に。
< 2 / 100 >

この作品をシェア

pagetop