風の歌

=ARMSと記憶=

今日の3時間目は歴史の授業。チャイムが鳴り終わるのと同時に先生が教室に入って来た。

「起立、お願いします」


委員長が挨拶した後に続き生徒達が礼をした。

「え〜今日は39ページから」

歴史の授業範囲は古代から中世代にかけてで「ARMS」と言う物によって戦争が行われていた時代である。

「このARMSと言うのは6人の創造神によって造られた」

黒板にチョークで字を書き始める。生徒はそれをノートに書き写す。

「その神の名前が記されているのは2人だけで「アリアドネ」と「ムラクモ」と言う」

アリアドネとムラクモ〜?変な名前…
そう思いながらノートにその名前を記す海里。

「この戦争は国内で勃発したそうだ。アーデント国王と国の騎士であったルーファンと言う男の間でARMSを巡って対立がしたのがきっかけだ。この2人が死んだ後も60年戦争は続いたそうだ。…つまり約120年間も戦争が行われていた」


120年も?その時代の人達はどんなに辛かったんだろう…
ノートを書く手を止める。

「この長期の戦争によって地形は変化し7つの大陸ができた。その大陸が発展してできたのが、今の日・風・雷・炎・地・水・氷の国だ」

そこまで言うと先生は黒板に字を書くのをやめ、生徒達を見た。

「停戦状態になって数年経ったな……家族や知り合いを亡くした人もいると思う」

「…」

先生の目をじっと見る海里。

「…」

チラッと海里を見る陸。

「実はこの戦争の原因は今まさに勉強しているARMSのせいらしい」

「えぇ!?」
「本当かよ!」

ざわつきはじめる生徒達。

「詳しい事は知らないが、報道記者の友達から聞いたことだから確かだと思う。今さらなんでARMSなんだろうな?」

首をかしげる先生。


…「ARMS」
それのせいで母さんは殺されたんだ。

表では決して記されないが、ARMSにはそれぞれ≪共鳴者≫というARMSを操ることができる者が存在する。海里の母は共鳴者だった。

母さんのARMSの名前何だっけ?確かデ…ディオ?…思い出せないや…

思い出せないのも無理はない。何故なら海里の母親が殺されたのは海里がまだ7歳の頃だったのだから。




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