風の歌

=隠していた理由=


日の国ARMS本部から数キロ歩いた所で休息を入れることになった。


「でもまさか、海里ちゃんの友達まで共鳴者だったなんてな〜」


傷が痛むのか少しだけ辛そうな顔をしながら話す陽。


「私もビックリしました……まさか陸まで…」

「俺もビックリ…他人事だと思ってたのに…」


ARMSを見つめたまま言う。


「一気に仲間が増えたわね!嬉しいわ♪」

「2人の名前はなんて言うんだ?」


笑顔で陸と風歌に話しかける月と陽。


「俺は、蒼井陸って言います」

「陸ね?カッコイイ名前ね!」

「そうですかね?」


照れ笑いする陸。


「………」


ちょっとムッとする陽。口が微妙に尖んがっている。


「…嫉妬してるの?」


四季が月に聞こえないようにボソリと呟く。


「……してない」

「ふぅん………ラブラブだこと」


聞いといてどうでもよさそうに言う。


「可愛らしいあなたの名前は?」

「わ、私ですか…?」


慌てる風歌。


「えと…………そのぉ…………………」


何故か黙る。


「お?もしかして恥ずかしがりやさんなのかしら?ますます可愛いわぁ〜♪♪襲いたくなっちゃうわねっ!!‥緊張しないでいいのよ?」

「今サラっと変なこと言いませんでした…?」


海里が陽を見る。


「いつもそんなんだから気にしなくて大丈夫」


平然と陽は答える。


「どうかしたのか?名前言うくらい恥ずかしくないだろ?」


風歌の顔を覗き込む陸。


「………」


俯いたままの風歌。


「…」
(こいつ、どっかで見たことあるような…………≪風歌≫…名前も聞いたことある気が……)


横目で風歌を見る星。





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