風の歌
第④章

=新たな…=

−−ARMS研究所−−





「成る程成る程…そういうことね〜」


帰還した海里達は、任務の報告と、陸と風歌についての説明を空に話した。



「同盟…ねぇ……」


お茶をすすりながら考える空。

「よければと思ったのですが…」

控えめに話す。



「幸か不幸か、はたまた天国か地獄か……」

「…何が言いたいんだ?」


空の意味不明な言葉に首を傾げる陽と月。


「ん〜…」


カップをカチャリと置く。

「んん〜……」


ギィッと椅子にもたれ掛かり、腕を組む。


相当悩んでるのかな?

空の様子を見て思う海里。




「空、悩む必要ねぇよ。同盟はくまねぇ!そいつも仲間とは認めない!それでいいだろ?」

「う〜ん……」

「私も星と同意見よ!風の国の奴らと同盟なんて組んだら、利用されるに決まってるわ!」


相変わらず反対意見を貫き通す2人。



そんな反対しなくても…
風歌が私達を利用するなんて思えないよ…


チラッと風歌を見る。


風歌は星を見ていた。



そういえば…風歌、星のこと「生きてたんだ」って言ったよね?知り合いだったのかな……?


疑問に思い、風歌と星を交互に見た。






「ん〜〜〜……」


ついに空は眉間に皺まで寄せ、唸っている。


「かなぁ〜り、悩んでるな…」

「そうみたいね」

「実際、賭けのようなもんだからな」

「場合によっては、最悪な事態になりかねないもの。慎重にもなるわよ」


皆、空が決断するのをじっと待つ。



「共鳴者は必要だ!ARMSを所持してるなら尚更だ!僕らはARMSと共鳴者を見つけ出して集めるのが仕事!でもこの娘は風の国の、それもお姫様!外交問題にはならないだろうか!?組んだら有利になるだろうけど、目的が違うのに同盟組んでいいのか!?大体風の国はARMSをいくつ所有しているんだ?風の国の共鳴者を勝手に仲間にしていいのかぁぁぁぁ!??」


髪の毛をかきあげ、頭を抱え込み机に突っ伏した。




「………」


しばし沈黙が流れる。



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