北欧の死神~死刑執行人~
カツン    カツン…

静かな監獄に足音だけが響く


いくつもの牢屋の前を通り過ぎ、
2170番が入ってきた独房へと歩く



大きなドアの前に立ち
厳重なロックをすべて解除する



もう何百回も繰り返した動作



冷たい金属の感覚には慣れてしまった




囚人はもう来ていた


細身の背中が鉄格子の隙間から見えた



「2170番


こちらを向け」
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