素直にバイバイが言えるまで
2人で頭をくっつけて笑っている写真を見たら泣けてきて、しまいには大きな声を上げて泣いていた。


私と龍吾は地元のダンスサークルで知り合って、気がついたら龍吾を目で追うようになっていて、お互いにだんだん目が合うようになっていた。


それから少しずつ距離が縮まって、色々と話をするようになって、もっと気になる存在になっていった。


それから仲良くなって、デートを重ねた


何回めかのデートはすっかり冬だった。


最低気温を上回る寒さが続いた雪まつりの会場で、私たちは鼻の頭を真っ赤にして何回も鼻水をすすって、それがおかしくて顔を見合わせて笑った。


バッグの中からティッシュを出そうとした瞬間


「付き合ってくれる?」


と、真っ直ぐに私を見つめて告白してくれたとき、私はバカがつくほど真面目な顔で龍吾に伝えたのを覚えている。



「彼氏と彼女ってカタチにしなくても、自分たちがそう思っていればいんじゃないかな?」ーーと。


でも、龍吾は、首を大きく横に振ってみせた。


「それじゃダメだよ。彼氏と彼女ってこと隠してるみたいじゃん」


ーー歳離れすぎだし、ちょっとは隠すでしょ〜

「…そうじゃないんだけどね」
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