また明日。
それから数ヶ月経って、彼女の墓が建てられた。

僕は花屋に寄って、墓参りに向かった。


線香の香りが鼻をくすぐる。

買った花束、紫苑は彼女が好きだと言っていた。


「花言葉がね、“君を忘れず”って言うんだ。なんかロマンチックじゃない♪」


今でも覚えてる、彼女の言葉。

何ヵ所か花屋を回って、やっと見つけた。

彼女の墓参りには、それがピッタリだと思ったから。


“君を忘れず”。

まるで僕の言葉を代弁してるみたいだ。


僕は手をあわせ、静かに彼女を話しかけた。



ーーー僕はずっと、君を想い続ける。
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