護衛目的の執事です

桜蘭倉庫

調べものを終え、
バイクに股がり向かうのは桜蘭倉庫。



久しい道を進み、
着いたのでバイクを近くに停め、扉の前に立つ。



電話しろだの言われてたが、まぁ今会うんだからもう良いか。



そう思うと同時に、
この中に居る連中は、私を迎えてくれるだろうか。



いくら総長をしてたとはいえ、顔もろくに見せて無かったんだ。



いつもパーカーにフードを被って、私は行動していた。



幹部室でも、ただ後継者が見つからないという理由で総長にされた事に疑問を覚えつつ、
同じ理由で幹部にされた奴にも、ほぼ私から話し掛ける事はしなかった。



ただ、後継者とやらが見つかるまで。



そう過ごしていく内に、幹部達には顔を見られ、仲良くなって時々煩い電話を掛けてくる。



今日もいつも通りに、その電話の向こうの景色を思い浮かべながら聞きたかったが、
結構、冷たい切り方をしたなと思う。


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