軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「おやすみなさい、レイヴン」


 ここへ漂流してくるまでに、彼になにかがあったことは明らかだった。戦に出ていたとも言っていたし、もしかしたら命からがら逃げてきたのかもしれない。なんて色んな憶測が脳内で飛び交う中、セレアは思う。


 どうか今だけは、彼に安息をお与えください、と。
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