何時だって君だけだから

友達の那美子とでさえ あり得る事を、アイツと……


アイツが、いきなりするから。

10代じゃあるまいし……

そう思うのに、間接的な事にトキメイた私がいる。


ただ、私の手ごと握って飲んだだけなのに、おかしいの。


特別な事じゃないのに、アイツがただのアイツには見えなくなった。


意識して見てる私がいる。

話す時も、笑ってる時でさえ目がアイツを見ちゃう。


否定すればするほど、意識して見てる私がいる。



これ、なんなの……




「 茉希、なぁ聞いてる?」

「 何よ、聞いてるし!」



いちいち無駄なトゲをつけてしまう。

まさに、意識しすぎ。


アイツの顔なんて見慣れてるのに、なんで…

意外と手が温かかったし…

私より大きい手してさ…

知ってるのに、なんでこんなに……



いつものアイツなはずなのにっ



「 茉希 」



呼ぶなー!



「 茉希、これどっかちがいいと思う?」


知るかっ



「 緑か?無難に黒? 茉希~ 答えろ 」

「 ……グレー!」

「 は? お前 グレーって… そう来たか… 」



あんたは何着ても似合うじゃん!



……って、うわ、私 何思ってんの!?




那美子と彼氏で共通の友達の朝月がいても変わらない接し方でいるアイツ。

なのに、私だけ違う。

わかってる……


いつものアイツを、アイツとして見てない自分の心を知ってる。



だから…… 困ってる。






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