聖なる夜に来る待ち人は
「ほんと、傍から見たらカップルにしか見えないなあの二人。八雲ちゃんはでも無意識であって意識的でないからこの感じなんじゃないか?ちょっとじれったいが見守るしかないな、遥乃。」


そう背後から言われた遥乃は


「分かってるわ。だから余計なことは言わないわよ。芽衣ちゃんが気づくと良いんだけど。」


少し軽いため息と共に遥乃が言うと


「大丈夫だろ!明日は八雲ちゃんは誕生日。プレゼントと共に新たに告白するだろうから。」

自信満々に告げられた内容に、頷くものもあり

「それもそうね。二人の間事だし見守るしかないわ。いい方に行くといいわね。」

そんな会話が後方で繰り広げられてるとは露知らず。

二人は仲良く話しながら下駄箱まで行き履き替えると駐輪場に向かい朝同様に二人で乗って校内から街へと向かった。

「まずは、腹ごしらえしてそれから何するか考えよう。」

「そうだね、そうしよ。お腹すいたよ。」

そう返す私に

「俺も、お腹すいた。特盛りうどん食べれそうなくらい。」


「そこまで?!それは早く食べに行かなきゃ!」

これにクスクス笑って返す寺川くん


「大丈夫、お腹すいてるけど切羽詰まってないから。」


「そんなに笑わなくても良いじゃない。」

すこしムッとすると


「ごめん、でも八雲がこんなにポンポン言い返してくれて話せて嬉しいんだ。だから許せ!」


そうしてポンポンと頭に手をやってまた自転車を漕ぐ寺川くん。

その制服の裾をそっと掴んだ。



この短期間で確かに変わり始めた私達だ。

この関係が心地よくて、その手を掴みたいと思うだなんて三日前の私なら想像もしてなかった。

この時期をこんなに楽しく過ごせたのは久しぶりだった。

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