配信教室
☆☆☆

立花と並んで帰るなんて、入学してから初めてのことだった。


「立花はさっきのことどう思う?」


歩きながらそう聞くと、立花は少しだけ俯いた。


「たぶん、思春期特有のものなんだと思う。密室の殺し合いとか、そういう本屋や映画も沢山あるしそういうものに感化されたのかも」


立花の返答はまるで模範解答のようだった。


そう答えるのが正しいと知っていたから、それをそのまま口に出しただけだ。


それは立花の意見とは違うんじゃないかと感じられた。


「本当にただそれだけであんなことをすると思うか?」


そう聞くと、立花は顔を上げた。


「わからない……」


「ユリたちは全員スマホを構えてた。あれは何をしてたんだと思う?」


「そんなのわからないよ」


そう返事をする立花の瞳が大きく揺れた。


何か隠している。

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