配信教室
俺とエイトは目配せをして隣のクラスへと向かった。


開け放たれたドアなら中を確認してみると、血まみれで倒れている生徒が数人と、クラスメートを追いかけている田中の姿があった。


その手には確かにカッターナイフが握りしめられている。


田中は大声で笑いながら生徒たちと切りつけて行く。


「なんだこれは……」


その光景に俺は数歩後ずさった。


田中の目はどこも見ていないようにうつろで、それなのにギラギラと輝いて見えた。


普段の田中じゃない。


その時、床に倒れていた女子生徒が体を起こした。


ユラリと起き上がり、近くの机におもむろに近づいていく。


その机の上にあった筆箱からハサミを取り出すと、奇声を上げながらクラスメートたちに襲い掛かって行ったのだ。
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