配信教室
「あらあら、大丈夫?」


スマホをこちらへ向けたまま、池田先生はクスクスと笑った。


「なんで……先生が……?」


エイトが唖然としながらそう聞いた。


「あら? 私も一緒に死んだと思った? ざーんねん。先生、生きてましたー」


明るい声でそう言い、大きな声を上げて笑う池田先生。


体中が熱くなるのを感じていた。


そんな、まさか、池田先生が……?


「おやおやぁ? 何か気が付いたかな? その通り、私が動画配信者の《U》よ」


池田先生がニッコリとほほ笑んでそう言った。


それはいつもの笑顔だった。


保健室での優しい池田先生の笑顔だった。


「嘘だろ……」


思わずそう呟いていた。


「嘘じゃないわよ? 私の下の名前、優って言うの。知らなかった?」


優……。
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